その文章をご紹介します
デイサービスの習字クラブに、参加する機会が記者にあったそうです。
「高齢の方の、笑顔と生きがいを応援したい」
そんな熱い思いを抱いた、介護スタッフさんたちが講師となり、続けているクラブです。
参加された方々は、目をキラキラさせて、一文字ずつ、真剣に取り組んでいらっしゃいました。
とはいえ、高齢になるとどうしても、程度の差はあれ、認知症があらわれたり、身体に不自由さを抱えたりするもの。
つまり「みんなで一緒に、同じ文字を書く」というのは、なかなかに難しいことなのです。
だからこそ、習字クラブの介護スタッフさんたちは技術や、字のうまい・下手を評価するのではなく、
とりくまれたご様子や感想を、参加者さんへ率先して伝えていました。
「この字を、何度も練習されていましたね!」
「山田さんの字には、温かみを感じます」
「山田さんが、参加してくださってうれしいです」
そんなふうに、第三者から
あるがままの姿や個人的な印象を伝えてもらうことは、
ただうれしいだけでなく、
その人にとって、大きな力になるのではないでしょうか。
まさに己書はこのお話と同じなのです。
まだ幼いこと、小学生、中学生の時の字を書く授業ではうまい下手を評価されて育ってきています。うまいと評価を受けた人は何重もの赤丸を受けて教室に張り出され、そうでない人は張り出されない。
まさに比較、比較、比較です。
そんな教育の元、育ってきた場合、比較されることが苦痛です。下手だと意識してしまい字を書くことへのコンプレックスを自分に受け付けてしまいます。
あるがまま、ありのままの自分を表現することすらはばかってしまうのです。
そこで己書はそんな思考を破棄します。
その時に、目の前の筆ペン、紙に思うように描いてみましょう。
お手本を見ながら、真似てみるのもいいです、真似ながら自己流にアレンジするのもありです。
心を開放して書いてみることの楽しさを感じてみませんか。